2026年度の大分県公立高校入試(入学者選抜学力検査)では、中学校学習指導要領の目標に則り、単なる暗記にとどまらない「思考力・判断力・表現力」を重視した出題が全教科で目立ちました。平均点や得点層別の解答傾向を細かく分析すると、上位層(A層)と中位層(B層)、そしてC層の間で、明確に「差がついたポイント」が浮き彫りになっています。
本記事では、大分県教育委員会が発表になったデータをもとに、国語・社会・数学・理科・英語の5教科の出題方針や正答率をコチラで再度分析まとめ直しました。「どこで受験生がつまずいたのか」「次の受験生が今から準備すべきことは何か」を分かりやすく解説します。
2026年大分県公立高校入試を徹底分析!5教科の出題傾向と合否を分けた「差がつく問題」とは?
2026年度の大分県公立高校入学者選抜における学力検査問題の分析データを基に、主要5教科の出題方針と、受験生の得点層(A層・B層・C層)によってどのような解答傾向の差が生まれたのかを詳しく解説します。
【国語】正確な読解と条件作文の記述力が勝負の分かれ目
出題の方針と全体像
中学校の学習指導要領に基づき、正確に文章を理解する力と適切な表現力が重視されました 。中学生にとって身近な素材を幅広く採用し、知識・技能、思考力、判断力、表現力のバランスをとった出題がなされています。また、スピーチの構成メモを用いた話し合いなど、実際の言語活動を意識した問題も取り入れられました。
得点層別に見る解答の傾向
- 上位層(A層): 漢字や古典などの知識問題が安定しているだけでなく、複雑な条件が課された作文(【五】問三)でも、提示された資料を根拠に自身の経験と結びつけた論理的な記述ができています。
- 中位層(B層): 基本的な漢字表記におけるケアレスミス(例:「提供」を「提共」と誤記)が見られます 。記述問題では本文の抜き出しはできるものの、設問に合わせた自分の言葉に変換する際に、主語の欠落や文のねじれが生じやすい傾向にあります。
- 下位層(C層): 漢字の書き取りや記述問題での無答が目立ちます。また、本文中に漢字で表記されている言葉をひらがなで解答してしまうなどの課題が見られます 。
・普段から、漢字の「トメ・ハネ・書き順、部首」に注意しましょう!
・古典単語もしっかり!
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合否を分けた「差がつく問題」
【三】問二(2) 内容の解釈(記述)
本文中に出てくる「赤字収支」という言葉の本質的な意味を理解し、対比構造を踏まえて論理的に再構成する問題です 。A層は部分点をしっかり確保したのに対し、B層の多くは0点や無答に留まり、文脈理解の深さで大きな差が出ました]。【五】問三 条件作文
A層は「具体的な経験・見聞」などの指定条件を漏れなくクリアして高得点を獲得しましたが、B層は条件を満たしきれず部分点に留まり、C層は無答率が非常に高くなりました 。
【社会】複数資料を関連付ける「多角的な考察力」が必要に
出題の方針と全体像
地理・歴史・公民の3分野からバランスよく出題され、社会的事象を複合的に関連付けて考える力が試されました 。単なる用語の暗記ではなく、時差の活用、歴史的背景の説明、一票の格差などの現代社会の課題について、多面的に考察・表現する力が求められています。
得点層別に見る解答の傾向
- 上位層(A層): 基礎知識の定着度が非常に高く、複数の資料を横断的に比較・分析して、筋道の通った文章で根拠を説明できています 。
- 中位層(B層): 単体の知識問題には対応できるものの、複数の知識を組み合わせる問題や、類似した選択肢の判別で正答率が下がる傾向にあります。資料の読み取り自体は概ねできていても、それらを統合して深い考察にまとめる段階に課題を残しています。
- 下位層(C層): 基本的な用語や概念の理解自体に幅があり、資料から必要な情報を正しく識別して抽出することに苦戦している様子がうかがえます。
合否を分けた「差がつく問題」
【4】(3) スマート農業の長所と短所
複数の資料から「労働時間の短縮」が「人件費の減少」につながるという因果関係を明確に説明する問題です 。A層は変化を適切に捉えて論理的に記述できましたが、B層は資料を活用しきれない傾向が見られました。【5】(5) 持続可能な観光の考え方
経済・環境・社会という複数の側面から多角的に考察する問題です 。A層はそれぞれの視点を網羅して記述できた一方、B層はいずれかの視点が欠落し、抽象的な内容に留まるケースが多く見られました 。
【数学】基本計算の確実性と、図形・関数のアプローチ力
出題の方針と全体像
基礎的な数・式の計算や方程式の処理力をみるとともに、それらを活用して問題を統合的・発展的に解決する数学的な思考力を問う構成です 。空間図形の切り口や一次関数のグラフを用いた日常生活のシミュレーションなど、多面的な考察力を必要とする問題も含まれています 。
得点層別に見る解答の傾向
- 上位層(A層): 基本的な計算や公式・定理の運用はほぼ完璧です。難度の高い図形・関数問題でも、持っている知識を複合的に組み合わせて最後まで解き進める粘り強さを持っています 。
- 中位層(B層): 単純な計算は定着していますが、文字式の分数における符号ミスや平方根の簡略化不足といった細かな技能ミスが散見されます。証明問題では「根拠となる事柄」の記述が不足するなどの課題が見られます。
- 下位層(C層): 複数手順を要する計算問題から一気に正答率が低下します。また、問題文の文章量が多いと、条件を整理して数式を立てる段階でつまずく傾向が強いです。
合否を分けた「差がつく問題」
【2】(3) 条件を満たす座標の決定
放物線上の点Pの座標を文字で置き、面積比から方程式を組み立てる難度の高い問題です。全体正答率が1.9%と非常に低い中、A層は文字を用いた立式まで到達して正解を導き出せているのに対し、B層は方針が立たず無答になるケースが目立ちました。【3】(2)② 箱ひげ図の比較(記述)
データの分布傾向を比較して数学的に説明する問題です 。A層は「中央値」や「四分位範囲」といった用語を正しく使って記述できましたが、B層は用語の混同や主語の欠落による減点が多く見られました。
【理科】実験データの分析スキルと、単位変換・表記の正確さ
出題の方針と全体像
物理(エネルギー)、化学(粒子)、生物(生命)、地学(地球)の各分野から、観察・実験をベースにバランスよく出題されました 。実験結果を分析して規則性を見出す力や、科学的な言葉、図、グラフを使って表現する力が問われています。
得点層別に見る解答の傾向
- 上位層(A層): 複数の図や表、文章を統合して考える必要のある難問(【5】密度の計算など)でも高い正答率を誇ります。記述問題でも科学的用語を正しく使い、論理的な説明が可能です 。
- 中位層(B層): 単一の知識問題は解けるものの、複数の概念が絡む問題で失点しやすいです。また、グラフ作成問題で原点の記入を忘れたり、プロットが不鮮明だったりする作図技能の甘さが見られます 。
- 下位層(C層): 基本的な用語自体に混同(例:「感覚器官」と「感覚神経」の取り違え)が見られます 。計算問題全般、特に単位変換(分から秒など)が必要な問題での失点や無答が目立ちます 。
合否を分けた「差がつく問題」
【3】(3) 地軸の傾きの影響(記述)
天体現象の理由を説明する際、「公転面に垂直な方向に対して」という比較の基準を明示できたかどうかがA層とB層の明暗を分けました。B層ではキーワードを正しく扱えなかったり、自転と公転を混同したりする例が見られました。【4】(6) 熱量に関する計算
提示された多くの情報から必要なデータを選び出す読解力と、「分」から「秒」への単位変換などの正確な処理能力の有無で、得点差が開きました 。
【英語】リスニングの要点把握と、英作文での文法正確性
出題の方針と全体像
「聞く・読む・話す(やり取り・発表)・書く」の各領域を調和よく網羅した出題です 。語彙や文法の知識を土台としながら、まとまりのある長文を正確に読み解く力や、目的・場面に応じて自分の考えを英語で適切に表現する力が試されました。
得点層別に見る解答の傾向
- 上位層(A層): 文脈を正確に捉えた上で、現在完了形や仮定法などの特定の文法形式を適切に使いこなし、正しいスペルで表現できています。英作文でも一貫性のある記述が目立ちます 。
- 中位層(B層): 具体的な事柄を問う短文の聞き取りや長文の概要把握はできています。しかし、複数の情報を整理・統合する問題での読み落としや、英作文での代名詞の誤用、動詞の語法ミスといった細かな失点が目立ちます 。
- 下位層(C層): イラストと音声を結びつけるような初歩的な問題は対応できますが、数値や場所を聞き取る問題では正答率が落ちます 。英作文では英語の基本構造(主語+動詞)が成立していない答案が多く見られました。
合否を分けた「差がつく問題」
【4】(3) 英文の読み取りと語句の記述
長文全体の文脈を把握し、空欄に適切な表現を補う問題です 。A層はスムーズに処理できた一方、B層は情報整理の不足から適切な表現を導き出せず、大きな差となりました 。【5】(4) 英文の要点理解
物語の展開や登場人物の心情推移を正確に読み取り、適する語を補う力が試されました 。B層は話の筋道自体は理解できていても、文脈に完全に合致する正確な語彙を選択することに苦戦しました。
まとめ:これからの高校入試対策に向けて

2026年度の大分県公立高校入試のデータを振り返ると、すべての教科において「基礎知識をただ暗記するだけでは太刀打ちできない」というメッセージが強く伝わってきます 。
今後の受験生に求められるのは、教科書の基本を確実に定着させた上で、以下のような力を日頃から養うことです。
- 複数の資料(グラフ・表・文章)を比較し、共通点や因果関係を見つけ出す訓練
- 設問の条件(記述のルールや指定語句)を正しく読み解き、厳密に守る意識
- 自分の考えや判断の根拠を、主語・述語のつながりを意識して論理的に説明する表現力
日々の学習の中で「なぜそうなるのか」を考える癖をつけ、記述問題や資料読み取り問題に恐れずチャレンジしていくことが、志望校合格への確かな一歩となります。



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